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New Power (ジェレミー・ハイマンズ)を読みました

2019 #4 

 ジェレミー・ハイマンズの書いた「New Power」を読みました。

 Old Power とNew Powerの比較を興味深く読みました。

 たとえば、Appleは沢山の革新的な製品を世に生み出して来ていて、とても先進的な印象を受けるけれども、New Powerとしてカテゴライズすることはできないというあたりは、この何年か考えてきたことに刺激を与えてくれる面白い本でした。

 というよりも、確かに一つの大きな流れである、一部の市場を切り出して、New Powerとカテゴライズすることには多少の違和感を感じつつも、そうした流れは確かに僕らの生活の一部として根付いているよね、ということは、本を読みながら、うなずかなければならないところが多かったと思います。

 New Powerはいつの時代でもあるものであって、この本に書かれているNew Powerの構造のようなものが、必ずしも、将来、ひょっとすると来年、あるいは来月、New Powerとして認識されているようになるかというのは誰にもわからないことなのだけれども、比較検討という部分においては十分にその役割を果たして入ると思います。

 それだけ、Old Powerと言われる力の没落が激しいのであって、それゆえにNew Powerはこんだけ違うんだぞということが、本書のような書籍になるのだろうとは思いましたが。

 市場において積極的に関わろうとする人々を捕らえること、もしくはそうした人々をうまくコントロールできた結果として生まれるウネリのようなものが新しい力を生み出すといった例を様々と見せてくれますが、この本に書かれている段階で、すでにそれは顕在化した、ひょっとしたら、既にOld Powerともなろうとしている、そのPowerの一部を垣間見せてくれているのではないだろうか、そんなことも考えずにいられません。

 新しい力は常に生まれていて、そのどれが市場を占拠するようになるのかというのは、未来を考える人達にとっては、とても興味深いトピックなのだろうと思います。でも、それは「見えない」からこそ、更に興味と関心を寄せるものなんだろうなと感じます。

 本の中の成功例、あるいはそこに描かれている人々すべてが、その市場を占める大部分のコンシューマーではないということを、肝に銘じたいとも思いました。もちろん、僕らの多くが、New Powerを消費する一部のコンシューマーなのでしょう。でも、だからといって、僕らはそうしたCommunity の一部であろうとするだろうか、あるいは、Communityがそこにあったから、そのサービスを消費するに至ったのかどうか、という点は、いつも頭の片隅に?マークを与えます。

 僕らの生活は、それぞれ個人のものであって、誰しもが「つながりたい」、「つながることによる欲求の解消」、あるいは「つながりのウネリを根拠にした信頼のようなもの」を求めているわけではない、そんなあたりのことを考えました。

 ただし、これが3年後、5年後どうなっているんだろうか、と考えると、少しこの先が楽しみになります。

 

New Power: How Power Works in Our Hyperconnected World--and How to Make It Work for You (English Edition)

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NEW POWER これからの世界の「新しい力」を手に入れろ

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